屋根は外壁の1.5倍早く傷む!?

屋根塗装よりも、普段目につきやすい外壁塗装の方が重要視されている方がほとんどですが、

屋根は外壁と異なり、24時間365日、一時の休みもなく全面に太陽の光を浴び、また夜の冷気に晒されていて

真夏の日中の表面温度は、70℃に達することもあります。

もちろん年々耐候性の高い材料が選ばれ、さらに塗装によって保護され耐久性・防水性を備えていますが、

経年による劣化は避けられません。特に紫外線は大敵です。

その土地が置かれた条件や、使われている材料にもよりますが、外壁は7年から10年、

現在主流となっているスレート屋根については、外壁より34年早く劣化がはじまると考えられています。

屋根こそ住まいの耐久性を維持するためには最も重要な部位です。

屋根は外壁より過酷な条件下に晒されているのです。

屋根が建物に与える熱の影響

すべてのお宅で同じことが言えますが、屋根材の種類によって熱伝導の大きさは変わりますが、

夏場部屋が暑いというような現象は屋根から来ているのです。

屋根の下には通常小屋裏といって空間層を設け、換気口から空気が入れ替わるようになっており

天井裏に断熱材を敷いてありますが、熱伝導はこれだけでは抑止できてないのです。


スレート屋根のヒビ、ズレ、棟金物の緩みやサビは放置すると雨漏りの原因に

スレート屋根は、主原料にセメントを使い、それに繊維材料を混ぜて、約5mmの厚さに加工したものです。

材料自体が高い防水性能を持つわけではなく、塗料によって防水機能を高めています。

そのため、塗装による防水が切れると雨水がすぐに流れ落ちずに表面に滞留し、少しずつ内部にしみこんでしまいます。

屋根材に使われた塗料は、強い紫外線を浴び続けることにより劣化が早く進み、

塗装による防水は、当初の塗装ではほぼ7年で切れ始めると考えられます。

また、屋根の一番上の棟などに使われている金物は釘で止められていて、

この釘も経年によって浮き上がり、止め付けが不十分になっていきます。

化粧スレートに雨がしみこむようになると、中の水分が温度差により膨張・収縮を繰り返し、表面にひび割れを生じさせます。

また冬季などで気温が低下すると吸い込んだ水分が凍結し膨張することでひび割れや爆裂などがおきます。

このようにして隙間が生じてくると雨水が浸入しやすくなり、放置すれば、雨漏りを引き起こす原因になってしまうのです。


外装劣化診断のプロによる現地調査を早めに行いましょう

外壁は、汚れやシーリングの硬化、色あせ、ヒビなどが直接目につき、すぐに発見することができます。

しかし、自宅の屋根の状態を日常生活の中で細かくチェックすることはできません。

築後78年以上を経過し、すでに外壁に色あせや細いヒビのようなものが見えているのであれば、

屋根はそれ以上に劣化していると考えなければなりません。

住まいの寿命は伸びており、30年以上住み続けるのは当たり前になっていますが、

その間で12回の屋根・外壁の塗装は必ず行うことになりますので、

早めにプロによる外装劣化診断を受けることをおすすめします。

外装劣化診断は外壁塗装工事の見積もりのためというより、お住まいのコンディションを把握するためのものです。


プロの調査を受けておくことが、費用対効果のよいメンテナンスにつながります。